子どもの頃から車が好きで、だんだん車の仕組みにも興味がわいてきて、整備の仕事に就きたいと思うようになりました。好きな車種が多かったり、F1などに取り組んでいたり、会社として面白そうだと思ったのでホンダを選びました。

仕事面では車検や点検・整備など、通常の業務でも入社当時と比べるとできることが増えてきた実感はあるのですが、私の中では昨年「自動車検査員」の資格を取得できたというのが大きな出来事です。

整備士資格と実務経験が無ければ取得できない国家資格です。整備だけでなく様々な検査が行えるようになり、活躍できるフィールドが広がります。この仕事を始めた頃から、目標にしていた資格だったので嬉しかったですし、責任感や自信にもつながりました。

最初は働く環境が変わることに不安もありましたが、一緒に働く仲間が新たに増えたことで、今まで自分が知らなかった仕事の進め方や整備の方法に触れることができ、新しい発見につながりました。

前の職場ではお客さまと話す機会は少なかったのですが、今の職場ではお客さまに車の症状や直した箇所を説明することが増えました。きちんとお客さまに納得してもらえたり、車が直って喜んでいただけると嬉しいですし、やりがいを感じるようになりました。

営業の人のような接客ができるわけではないですが（笑）。でも、私たち整備士にしかできない接客もあるということに気づきました。

整備士はお客さまの車の内部を見るので、外観から見ても分からないお客さまと車の関係性がよく分かるんです。点検やメンテナンスがきちんとされていないと、修理後もまた故障の原因になりかねないので「定期的に点検してあげてください。」とお伝えすることもあります。

お客さまと車の付き合い方を、整備士の視点からアドバイスすることも大切だと思います。せっかくの愛車なので長く乗っていただきたいですし、営業ではなく整備士だからこそできることだと思います。

年を重ねるごとに経験や技術力はどんどん自分の中に蓄積されていきますが、同時に車も日々進化していきます。整備士は常にその進化に対応していく必要があります。新しい車が発売されれば、みんなで集まって勉強会を開いたり、常に新しい情報をインプットすることも大切です。

整備チーム内はしっかりとコミュニケーションが取れていますし、営業の人とも積極的に話してお客さまの情報を聞いています。休憩室では部門に関係なく人が集まるので、仕事以外のプライベートな話をしたりもしますし、雰囲気はとても良いです。

整備チーム内に同期の社員が3人いて、彼らとは気心知れた仲なので、時にけなし合いながら（笑）支え合って、一緒に日々成長しています。楽しいだけでなく、良いライバル関係を築けています。

整備と聞くと一つのことに黙々と打ち込める、職人気質の人だけが向いていると思われがちですが、それは昔の話で、作業以外のことも実はとても重要です。接客や人とのコミュニケーションも大切ですし、車の新しい機能や進化にも柔軟に対応する必要があります。実はいろんなことに興味が持てる、視野の広い人が向いていると思います。